Health care column

養生コラム

冬至にカボチャを食べる理由

2025.12.17

年末に向けて慌ただしくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
寒さが増して来て、日もかなり短くなってきましたね。

今年の冬至は 12 月 22 日で、この日は一年で昼が最も短く、夜が最も長い日。
東洋医学では「陰に気が極まり、ここから陽の気が徐々に増え始める」と考えられ、「一陽来復(いちようらいふく) 」とも呼ばれます。

この大切な節目に、日本では昔からかぼちゃを食べる風習が受け継がれてきました。
そこには、薬膳的にも理にかなった意味があります。

かぼちゃは「脾」を補い、冬を越す力を養う食材

脾とは胃腸のことを意味し、食べたものから気や血を生み出す源であり、免疫力や体力の土台となる臓腑です。
寒さが厳しくなる冬は冷えやすく、胃腸の働きも落ちやすい季節。
冬至に脾を補うかぼちゃを食べることは、これから迎える本格的な冬に備えて、体のエネルギーを蓄える養生といえます。

かぼちゃの持つ特性
• 温性:体を内側から温め、冷えを防ぐ
• 甘味:緊張をゆるめ、疲れた体を補う

という性質は、陽気が弱まりがちな冬至の体にぴったり。
冷え、疲労感、食欲不振、風邪をひきやすい人にとって、かぼちゃはやさしく体を立て直してくれる食材です。

冬至は、何かを始めるよりも、しっかり食べて、温めて、休むことが大切な日。
かぼちゃを食べる習慣は、 「無病息災を願う行事食」であると同時に、自然の流れに沿った薬膳的な知恵でもあります。

画像は『カボチャの葛あんかけ』 。
鶏ひき肉を炒め、煮大豆、養生出汁、みりんと合わせてカボチャを煮て、お醤油で調味して、最後に葛粉で煮汁にとろみをつけたら出来上がりです。
葛は漢方薬の葛根湯にも含まれる生薬。
体を温め血行を促進し冷えの改善や風邪予防に効果的です。普段のお料理のとろみづけに活用されるといいですよ。

日々是薬膳の養生出汁は、風邪予防に効果の高い板藍根と北海道産昆布、枕崎の鰹で構成された美味しいお出汁。
生薬の風味はほとんどなく、すっきりとした綺麗な美味しいお出汁がとれます。
普段のお食事で風邪予防の薬膳料理を簡単に作ることができますので大変おすすめです。